これから競馬を始めようとしている方の中には、「どの馬券を買えばいいの?」「配当っていくらくらいなの?」など、様々な疑問を持っているでしょう。
記事では、JRA(日本中央競馬会)が出している馬券の種類と平均配当、競馬初心者の方におすすめな馬券についても解説するので、馬券の購入で迷われている方はぜひ確認してください。
JRAの馬券の種類は9種類
JRAが出している馬券は主に以下の9種類です。
- 単勝
- 複勝
- 枠連
- 馬連
- 馬単
- ワイド
- 三連複
- 三連単
- WIN5
馬券によって的中難易度や平均配当が大きく変わります。ここでは、それぞれの馬券の詳しい説明と、馬券別の平均配当を解説します。
①:単勝

単勝はレースで勝つ馬を当てる馬券で、競馬の原点と言える馬券です。
たとえば、16頭立てのレースで10番の馬が来ると予想して、実際に10番の馬が勝利したら的中となります。一番シンプルな馬券だからこそ、的中したときはとても晴れやかな気持ちになりますね。
JRA-VANが2022年に公開したデータによると、単勝の平均配当は954円となります。平均配当は100円で買った場合のものであるため、もし1000円で買った場合は9,540円となります。
オッズとは馬券が的中した場合の概算払戻率のこと。たとえば、オッズが5.0倍の単勝を100円で買った場合、配当は500円になります。
ただ、単勝のオッズは勝つ馬によって大きく変わります。1番人気の馬が勝った場合、2倍程度(100円で買ったら200円になる)になるのも珍しくありません。
逆に10番人気の馬が勝つと、30倍〜100倍になることもあります。つまり、100円で買った馬券が、3,000円や10,000万円になるケースもあるのです。
②:複勝

複勝は3着以内に来る馬を当てる馬券です。選んだ馬が1〜3着に入ればいいわけなので、単純に計算すると単勝よりも3倍当たりやすいといえます。
注意点複勝はレースに出走する馬が7頭以下の場合、2着までに入る馬が的中の対象となります。3着はハズレ扱いになるので、レース前に出走数は確認しておきましょう。
複勝は全ての馬券の中で最も当てやすいぶん、配当は最も低くなります。JRA-VANによると2022年の複勝の平均配当は335円です。
1番人気の複勝となると、オッズは1.1〜1.5倍ぐらいになることも多いため、100円買っても110円にしかならないケースもあります。
高配当が期待できる馬券ではありませんが、「的中する喜びを知りたい」という方におすすめの馬券です。
③:枠連

枠連は1着と2着になる馬の枠番号の組合せを当てる馬券です。1着と2着の着順は関係ありません。枠連を買う前に、馬番と枠番の違いについて覚えておく必要があります。

枠番とは、スタートゲートの位置ごとにつけられる番号で、馬番は出走馬全員につけられる番号のことです。枠連以外の馬券は全て馬番で買うことになるため、枠連買う場合は馬番と間違えないように気をつけましょう。
枠連の発売があるのは出走頭数が8頭以上のときで、8頭以下の場合は原則として発売されません。
2022年の枠連の平均配当は2,070円となります。2頭絡んでくる馬券ということもあり、単勝や複勝よりも配当が高いことが分かります。人気のない馬がが入っている枠同士で1,2着になった場合、オッズが100倍を超えることも珍しくありません。
④:馬連

1着と2着になる馬の馬番号の組み合わせを当てる馬券で、 1着・2着の順番は問われません。
たとえば、上記のように10番と11番の馬連を買った場合、10番が1着で11番が2着で的中になり、10番が2着で11番が1着の場合でも的中になります。
2022年の馬連の平均配当は5,013円で枠連の2.5倍ほどになります。人気馬同士の組み合わせですと、オッズは5〜10倍程度になりますが、人気薄の馬が絡んでくると、200倍以上のオッズがつくこともあります。
⑤:馬単

1着と2着になる馬の馬番号を着順通りに当てなければいけない馬券です。馬連と違い、1着2着を順番通り当てる必要があるため、難易度が上がります。
たとえば、14番→11番の馬単を購入した場合、14番が一着で11番が2着で的中となります。14番が2着で11番が1着だと不的中です。
2022年の馬単の平均配当は10,005円と1万円を超えます。人気馬同士の組み合わせだと、オッズは10倍以下になることもありますが、人気薄馬→人気馬の組み合わせだと100倍を超える可能性が高い馬券です。
稀ですが、10番人気→11番人気みたいに人気薄の馬で決まると、オッズが1,000倍を超えることもあります。
⑥:ワイド

ワイドは3着までに入る2頭の組合せを馬番号で当てる馬券で、拡大馬連とも言われます。着順が問われないため、馬連よりも当てやすい馬券となります。
たとえば、10番と11番の組み合わせでワイドを購入した場合、以下の6通りが的中となります。こう見ると、馬連や馬単と比べて、的中難易度が低いことがわかりますね。
10番1着→11番2着
10番1着→11番3着
10番2着→11番3着
11番1着→10番2着
11番1着→10番3着
11番2着→10番3着
2022年のワイドの平均配当は1,871円となり、馬連や馬単より当てやすい分配当は下がります。
人気馬同士の組み合わせだと、オッズは2〜3倍ぐらいになってしまいますが、人気馬と人気薄の組み合わせだと10倍を超えることが多い馬券です。稀ですが、2桁人気同士の組み合わせだと、100倍を超えるオッズになる場合もあります。
⑦:三連複

三連複は1着、2着、3着となる馬の馬番号の組み合わせを当てる馬券です。 1〜3着の順番は問われません。馬連のように着順は問われませんが、3着までに来る馬を当てなければいけないため、難易度の高い馬券の1つとなります。
上記のように、1番、2番、7番の組み合わせで三連複を買った場合、以下の着順が的中対象となります。
1番1着→2番2着→7番3着
2番1着→1番2着→7番3着
7番1着→2番2着→1番3着
1番1着→7番2着→2番3着
2番1着→7番2着→1番3着
7番1着→1番2着→2番3着
6通りあるので当てやすいように見えますが、1頭でも買っていない馬が3着以内に入ったら不的中となるため、簡単ではありません。
2022年の三連複の平均配当は19,649円で馬単の約2倍となり、次に説明する三連単に次ぐ平均配当となります。
1番人気→2番人気→3番人気のように、人気馬同士の組み合わせだと、オッズは10倍程度に落ち着きます。しかし、人気薄が絡んでくると当たり前のように100倍を超える馬券で、全て人気薄で決まると1000倍を超える配当が見込めます。
⑧:三連単

三連単は1着、2着、3着となる馬の馬番号を着順通りに当てる馬券です。上記のように、7→1→2の三連単を購入した場合、7が1着1が2着2が3着のみが的中となり、それ以外の組み合わせは全て不的中となります。
三連単は18頭立てのレースの場合、816通りも組み合わせがあり、その中から1つの組み合わせを当てなければいけないため、非常に難易度の高い馬券です。
三連単の2022年の平均配当は119,198円と他の馬券と比較しても、群を抜いて高いことがわかります。
人気馬同士の組み合わせでもオッズが100倍を超えることはザラで、人気薄の馬が絡んでくると1,000倍、場合によっては10,000倍になるケースもあります。
⑨:WIN5
JRAが指定する5レース全ての1着馬を当てる馬券です。ここまで説明した8つの馬券と違い、複数のレースの勝ち馬を当てる必要があり、最も難易度の高い馬券になります。
自分でレースが選べるわけでなく、あくまでもJRAが指定したレースで勝ち馬を予想しなければいけない点も難しいポイントです。

上記のように、各レースで勝つと思う馬番を記載して購入します。この馬券だと、中山9レースで6番か12番が勝てば、中京10Rに進むことができます。これを5レース連続で当てて、初めて的中となるのです。
点数を増やすほど当てやすくなりますが、その分購入金額も莫大なものとなってしまうので、バランスが非常に重要です。
WIN5は当選者の数によって大きく配当が変わります。当選票数が数千、数百とある場合は、数十万や数百万といった配当になりますが、残った票が1票とか2票だけ当選したとなると、何億という配当になります。
WIN5はまさしく、「競馬の宝くじ」ともいえるでしょう。
初心者の方におすすめしたいのは「単勝」「複勝」
ここまでの話を聞いて、「結局どの馬券を初心者は選ぶべきなの?」と思った人もいるでしょう。結論、私が競馬初心者におすすめしたいのは、単勝と複勝です。
三連単や三連複など、配当が高い馬券に魅力を感じてしまうのは分かりますが、予想の方法が確立されていない状態で難易度の高い馬券を買うと不的中が続き、モチベーションが下がることにも繋がりかねません。
ここでは、なぜ競馬初心者に単勝と複勝がおすすめなのか、3つの理由に分けて紹介します。
- シンプルな馬券だからレースに集中しやすい
- 的中する喜びを味わいやすい
- 他の馬券を買うときに生かされる
理由①:シンプルな馬券だからレースに集中しやすい
単勝と複勝は1頭の結果で的中か不的中かが決まる馬券であるため、レース中は自分が買った馬だけを見ることに集中できます。たとえば、5番の馬の単勝か複勝を買った場合、レース中は5番だけ見ていればいいということです。
逆に、単勝と複勝以外の馬券は、最低でも2頭以上の馬が絡んでくるため、レースを見るのが難しくなります。三連複や三連単となれば、3頭以上の馬を常に気にしなければならないので、どの馬を見ればいいのかわからなくなることもあるでしょう。
そのため、レースを楽しんで見るという視点では、1頭の馬だけに集中した方がドキドキできますので、最初は1頭だけに集中できる馬券が楽しめると思います。
理由②:的中する喜びを味わいやすい
競馬の一番の醍醐味といえば、やはり馬券を的中させることでしょう。競馬を好きになる理由は人それぞれですが、多くの友人が競馬にハマっていく姿を見てきた中で、最も多い理由は「馬券が当たったときが楽しかったから」です。
馬券が当たる→モチベーションが上がる→競馬がもっと好きになる、という風に、好循環に繋がるわけですね。そういった面から見ると、単勝や複勝は非常に的中させやすい馬券です。
18頭立てのレースで1頭の単勝を買う場合、18分の1で当たりがあり、複勝に限っていえば、3着までに入ればいいので6分の1の確率で当たるわけです。
一方で、三連単は18頭立てのレースの場合、816通りも組み合わせがあります。この中から、的中させなければいけないとなると、難易度が非常に高いことがわかるでしょう。
三連複や三連単を買う場合、10連敗することも珍しくなく、メンタル的にもしんどくなりがちで、競馬に対するモチベーションが下がるリスクもあるため、最初のうちはおすすめできません。
理由③:他の馬券を買うときに生かされる
私が単勝と複勝を初心者の方におすすめする1番の理由は、全ての馬券は単勝と複勝から派生しているものだからです。単勝と複勝で安定して的中できない人は、他の馬券で勝つことは難しいと私は思っています。
たとえば、着順通りに当てなければいけない馬単や三連単は、まず勝つ馬から予想する必要がありますよね。1着に自分が選んだ馬が来なければ不的中となるわけです。つまり単勝の延長に、馬単や三連単があるということです。
馬連やワイド、三連複などの組み合わせで当てる馬券は複勝と繋がってきます。馬連の場合は2着以内になる馬、ワイドと三連複は3着以内に来る馬を当てる必要が出てくるわけですからね。
複合馬券の買い方の種類
単勝や複勝以外の馬券は複合馬券と呼び、2頭以上の馬の組み合わせを当てる必要が出てきます。複合馬券には様々な買い方があるため、ここで自分に合ったもの探してみましょう。
ながし
競馬で「ながし」とは、特定の馬を軸(中心)にして、他の馬を組み合わせて馬券を購入する方法のことです。これにより、効率的に多くのパターンの組み合わせをカバーできます。
たとえば、馬連を買おうと考えているとき、「13番の馬が2着以内に来る!」と思ったとします。この13番を軸にして、他の馬と組み合わせるのが「ながし」です。

上記の馬券の場合、13番が2着以内に着て、相手に3,10,11が来れば的中になります。ながしは、軸馬の精度が問われる買い方ですが、買い目を減らすことにも繋がるため、非常に有効な買い方です。
フォーメーション
フォーメーション買いは、役割を分けて馬を選び、それぞれ自由に組み合わせて馬券を購入する方法で、主に三連複と三連単で使います。
たとえば、三連複の場合「軸馬はこの馬」「対抗はこの馬たち」「ヒモはこの馬たち」というように、柔軟に予想を組み立てられるのが特徴です。

上記の買い方だと、⑧が軸馬で、④⑤が対抗、3列目のいる馬番がヒモになります。
この場合、まず⑧が3着以内に来ないと不的中となります。また、フォーメーション買いは対抗馬も重要であり、⑧が3着以内に来たとしても、④か⑤どちらかの馬が3着以内に来ないと不的中となります。
このように、フォーメーションは非常に馬を見極める能力が重要になりますが、買い目を効率的に減らせるため、的中した際は利益を出しやすい買い方といえます。
ボックス
ボックス買いは、選んだ馬を全て組み合わせて馬券を購入する方法です。簡単に言うと、「選んだ馬番が来たら」的中という買い方です。

たとえば、上記のように⑧⑩⑬⑯の馬連ボックスを買った場合、この4頭の馬番で1、2着が決まれば的中となります。
ボックスは購入する頭数が増えるほど、買い目もかなり増えてしまうため、頭数をある程度絞る必要があります。
どこで買えるの? 馬券の購入場所3選
ここまで馬券の種類や買い方について説明してきたので、最後に馬券を購入できる場所について説明します。
現地に行って買う方法やネットで買う方法など、いろいろありますので自分に合った方法を見つけてみてください。
- 競馬場
- 場外馬券場(WINS)
- インターネット
競馬場
一番イメージしやすいのは、競馬場で買うことでしょう。
競馬場には馬券の自動発売機があり、現金などで馬券を購入することができます。開催場所となっていない競馬場でも購入可能です。
各フロアに置いてあるマークカードに記入し、自動発売機に入れることで馬券を受け取ることができます。
的中馬券を自動発売機で換金するのが一番の快感だと私は思うので、ぜひ一度競馬場で観戦するレースを的中させて、その体験を味わってほしいと思います。
場外馬券場(WINS)
場外馬券場(WINS)とは、その名の通り馬券を購入できる場所で、全国各地に設置されています。モニター越しでレースを観戦して、的中したら自動契約機で換金する形になります。馬券の購入方法はほぼ競馬場と同じです。
JRAのホームページに、WINSの場所が書いてあるので、興味のある人は近くの店舗に足を運んでみましょう。
インターネット
インターネットによる馬券の購入できる「即pat」というサービスもあります。パソコンやスマートフォンなどを使って購入できるため、電波が通っていれば全国どこにいても馬券を買うことが可能です。
インターネット投票は、以下の銀行か指定口座となっているので、持っていない方は口座を事前に作っておく必要があります。
・paypay銀行
・楽天銀行
・三井住友銀行
・三菱UFJ銀行
・住信SBIネット銀行
・ゆうちょ銀行
・りそな銀行
・埼玉りそな銀行
・auじぶん銀行
口座に預金がないと馬券は購入できないため、インターネット購入をする際は預金残高を事前に確かめておきましょう。
馬券の買い方をマスターして競馬を楽しもう
JRAには9種類の馬券がありますが、それぞれ特徴が異なります。基本的に、的中させやすい単勝や複勝は配当が低く、的中させるのが難しい三連複や三連単の配当は非常に高いです。
競馬初心者の方がいきなり難易度の高い馬券に手を出すと、的中させるのが難しいため、まずは単勝や複勝などの馬券から購入することをおすすめいたします。
そして、安定して的中できるようになってきたら、馬連やワイド、そして三連系の馬券を買ってみるのも良いでしょう。自分に合った買い方を見つけて、ぜひ競馬を楽しんでください。
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