競馬で馬券を買い始めた人のなかには、「単勝って儲かるの?」「配当低くない?」など、さまざまな疑問を持っている人もいるでしょう。
結論、単勝は馬券の中で勝ちやすい券種の一つだと私は考えます。記事では、単勝が勝ちやすい理由や、理想的な買い方についても解説します。
単勝馬券の購入を考えている人や、単勝の買い方で悩んでいる人はぜひ参考にしてみてください。
単勝とは勝つ馬を当てる最もシンプルな馬券

単勝は勝ち馬を当てる馬券です。たとえば、上記のように10番の馬の馬券を買って、10番が勝てば的中となります。これほどわかりやすい馬券は他にはないので、初心者の方にもオススメしたい馬券となります。
競馬の勝ち方は十人十色ですが、単勝は回収率を安定させやすく、堅実に勝ちやすい馬券といえるでしょう。

単勝のメリット
単勝はシンプルな馬券であり、メリットも多いです。特に、競馬を始めようと思っている人や、他の馬券で苦戦している人にとっては有効といえます。
ここでは、単勝のメリットを4つ紹介しますので、単勝の魅力を感じてください。

控除率が低い
競馬で勝つためには「控除率」に注目することが重要です。控除率が低い馬券ほど購入者が有利になります。
賭け金から主催者(JRA)が差し引く割合のこと。
馬券の種類 | 控除率 |
---|---|
単勝 | 20.0% |
複勝 | 20.0% |
枠連 | 22.5% |
馬連 | 22.5% |
ワイド | 22.5% |
馬単 | 25.0% |
三連複 | 25.0% |
三連単 | 27.5% |
WIN5 | 30.0% |
JRAの馬券の中で最も控除率が低いのは「単勝」と「複勝」の20.0%です。三連単の場合、27.5%もの控除があるため、単勝は「最も多くの金額が払い戻しに回る馬券」ということになります。
例えば、100万円分の単勝馬券が売れた場合、JRAが差し引くのは20万円で、残り80万円が的中者に分配されます。一方で、三連単なら27.5万円が控除され、的中者への分配は72.5万円しかありません。この差は長く馬券を買い続けるほど大きくなります。
つまり、単勝は他の馬券よりも払戻率が高いため、理論的には長期的に最も有利な券種といえるのです。
的中率と回収率が安定しやすい
単勝は比較的的中させやすい券種です。たとえば、16頭立てのレースの場合、頭数通りの組み合わせは16通りになります。
16頭立ての場合の他の馬券の組み合わせ数は以下の通りです。
馬券の種類 | 組み合わせ数 |
---|---|
単勝 | 16 |
複勝 | 16 |
枠連(8枠制) | 28 |
馬連 | 120 |
ワイド | 120 |
馬単 | 240 |
三連複 | 560 |
三連単 | 3,360 |
一番組み合わせの多い三連単は3,360通りもあるわけなので、的中難易度が全く異なることがわかるでしょう。
難易度の高い馬券は、配当が高い分、必然的に的中率は下がります。回収率の上振れも期待できる一方で、不的中が続くと大きく下振れする可能性も高く、リスクが大きくなります。
一方単勝は、大勝ちをするのは難しいものの、ある程度的中率が担保されるため、回収率を安定させやすい傾向にあります。そのため、リスクを抑えて競馬を楽しみたい人に適している馬券なのです。
他の馬の結果が影響しない
単勝は自分が選んだ馬が勝ちさえすれば的中となるので、他の馬に結果が左右されません。
たとえば馬単を買った場合、1着に来る馬を当てられたとしても、2着に買ってない馬が来たら不的中となってしまいます。
「せっかく1着馬を当てたのに、不的中…」なんてことがよくあるわけですね。
予想がしやすい
単勝は勝つ馬を当てるだけなので、予想もシンプルです。勝つ馬だけを考えればいいのです。
単勝と複勝以外の馬券は、必ず2頭以上が絡んでくる馬券であるため、予想が難しくなります。
特に三連単となると、1着に来る馬、2着に来る馬、3着に来る馬を予想しなければならず、時間もかかります。
予想することが大好きで時間をかけられる人はいいですが、そこまで時間を割けないのであれば、勝つ馬だけを当てる単勝がオススメです。
単勝のデメリット
単勝はメリットが多い一方で、デメリットも存在します。
特に、競馬で一攫千金を狙っている人にとっては、少し物足りない部分も出てくるかもしれません。
他の馬券と比べて配当が低い
「10万円馬券や100万円馬券を当てたい!」という人には、単勝は物足りないかもしれません。
馬券 | 平均配当 |
---|---|
単勝 | 954円 |
複勝 | 335円 |
枠連 | 2,070円 |
馬連 | 5,013円 |
馬単 | 10,005円 |
ワイド | 1,871円 |
三連複 | 19,649円 |
三連単 | 119,198円 |
参照先:JRA-VANの「馬券の払い戻し金と着順」より
単勝の平均配当は複勝に次いで低く、1,000円を切ります。そのため、1レースで10万〜100万の払い戻しをもらうには、掛け金をかなり大きくしなければいけません。
穴馬で的中させるのは難しい
「単勝で大きな配当を狙うために、人気のない馬から買おう」といったように、穴馬から単勝を狙う人もいますが、人気のない馬の単勝を当てるのは簡単ではありません。
以下は、JRAが公開している人気別成績になります。
人気 | 勝率 |
---|---|
1番人気 | 32.2% |
2番人気 | 19.8% |
3番人気 | 14.6% |
4番人気 | 10.5% |
5番人気 | 7.9% |
6番人気 | 5.9% |
7番人気 | 4.2% |
8番人気 | 3.2% |
9番人気 | 2.6% |
10番人気以下 | 2.0% |
人気が低くなるほど勝率が悪いことがわかります。10番人気以下の馬に限っては、2%の勝率しかないため、100レースのうち2回しか勝たないことになります。
2~3着に人気のない馬がくることは珍しくありませんが、勝ち切るというのは難しいため、単勝で穴馬ばかり狙っていると、不的中が続き回収率を落とすリスクも出てきます。
オッズが重要? 単勝の買い方のコツ
先述した通り、単勝は的中率を担保しやすく、回収率を安定させやすい馬券です。
しかし、間違った買い方をすると不的中が続き、淡々と負け続けてしまう可能性があります。ここでは、単勝を買う際に意識してほしいことを3つに分けて解説します。
- オッズが1倍台の馬は買わない
- 基本的には1点買いにする
- なるべく締め切り直前に買う
オッズが1倍台の馬は買わない
先ほどデータを紹介したように、競馬は人気がある馬の方が勝率が高い傾向にあります。そのため、単勝オッズが「1.5倍」のような圧倒的な人気の単勝を買えば、必然的に的中率は高くなります。
しかし、競馬は的中率が高いから勝てるわけではありません。以下のデータは2022年の単勝オッズ別の勝率になります。
オッズ | 勝率 |
---|---|
1.0~1.4倍 | 56.5% |
1.5~1.9倍 | 45.8% |
2.0~2.9倍 | 35.2% |
3.0~3.9倍 | 26.9% |
4.0~4.9倍 | 22.1% |
1.5倍の馬の勝率は約45%です。つまり10レースのうち4〜5レースしか勝てないという計算になります。
オッズ2.0倍の馬が2レースに1回勝てれば、回収率が丁度100%になるわけですから、圧倒的1番人気を買い続けてもオッズ妙味がなく、回収率が落ちることがわかります。
基本的には1点買いにする
単勝は比較的的中させやすい馬券であるため、平均配当は高くありません。そのため、何頭もの単勝を買うと、回収率が低くなってしまいます。
たとえば軍資金が2,000円だったときに、オッズ4倍の馬に1,000円、オッズ6倍の馬に500円、オッズ8倍の馬に500円をかけたとしましょう。この配分で的中した場合、配当は以下の通りになります。
オッズ4倍に1,000円→4,000円
オッズ6倍に500円→3000円
オッズ8倍に500円→4,000円
掛け金2,000円に対して、最大で4,000円の払い戻しとなるため、最大のプラス額は2,000円となります。つまり、この買い方だと2レースに1回的中させたとしても、回収率は良くても100%です。
一方、単勝オッズ4倍の馬に2,000円をかけて的中させた場合、払い戻し額は8,000円となります。つまり、4レースに1回的中できれば回収率は100%に届くわけですね。
3点買いの方がもちろん的中率は向上しますが、その代わり掛け金が分散されてしまうため、長期的に勝つのが難しくなります。
オッズ次第では2点買うのもあり
「勝つと思う馬が2頭いて、どっちもオッズがつきそう」というシチュエーションに場合は、2頭の単勝を買うのもありだと思います。
たとえば、気になる2頭の単勝オッズが10倍と15倍で、1,000円ずつ買った場合、配当は1万円か1万5,000円となり、十分なリターンを得ることができます。
このように、大きな配当を見込めるのでれば、2頭の単勝を買う選択肢を持っても良いでしょう。
なるべく締め切り直前に買う
馬券を買う上で、オッズは非常に重要です。JRAでは「パリミュチュエル方式」という仕組みでオッズが決まります。
ファンが馬券を購入したお金をプールし、その中から運営側の取り分を差し引いた額を、的中者で分配する方式。

たとえば、Aという馬が勝つと予想する人が多い場合、Aの馬券がたくさん売れます。すると、Aの馬券に対する配当の分け前が小さくなるため、オッズが低くなります。逆に、Bという馬に賭ける人が少ない場合、分け前が大きくなるため、オッズが高くなります。
この方式が取られているため、オッズは締め切り時間まで動きつづけます。締め切り1時間前はオッズは7倍だったのに、3分前には3倍に下がるなんてこともあるわけです。
そのため、自分の買いたい馬のオッズが最終的にどれくらいつくのかを正確に判断するためには、なるべく締め切り直前に馬券を買う方が有効です。
オッズが締め切り数分前に予想より大きく下回っている場合は、そのレースの購入を見送る選択肢を持ったほうが、長期的には勝てる可能性が高くなります。
単勝と組み合わせると有効な馬券
ここまでの説明を聞いて、「単勝だけだと飽きそう…」「単勝と相性の良い馬券はないの?」と思われた方もいるかもしれません。
実は単勝は他の馬券と組み合わせやすい券種でもあります。ここでは、単勝と他の馬券を組み合わせるオススメの買い方を2通り解説します。
複勝
「単勝で1着を狙いたいけど、万が一来なかったときの保険もほしい…」
このような思考のときにオススメなのが、複勝も合わせて買うことです。単勝と複勝を合わせて買う方法を「単複」といいます。
単複で買っておくと、買った馬が1着に来なかったとしても、2〜3着に入れば複勝が的中となるため、保険となるわけですね。
たとえば軍資金が2,000円あったとして、単勝オッズが8倍で複勝オッズが2.5倍の馬を本命にしたとしましょう。ここで、単勝と複勝を1,000円ずつ購入した場合、その馬が2着であったとしても2,500円の払い戻しがあるため、収支はプラスとなります。
もし、1着にくる自信がそこまでないなら、単勝500円、複勝1,500円といったように配分を変えることも有効です。
単複は大勝ちこそ難しいですが、「的中率と回収率のバランスを取りながら楽しめる」点が魅力です。
複勝オッズが低い場合は単複の購入は控えよう
単勝オッズの低い1〜2番人気の馬は、複勝オッズも低くなりがちです。単勝オッズが2倍以下の馬だと、複勝は1.1〜1.2倍ぐらいしかつきません。
このような馬を単複で買って複勝のみが的中したとしても、トリガミになってしまう可能性が高いです。そのため、単複を買う際は必ず複勝だけでプラスになるようなオッズの馬を買うときに購入しましょう。
馬券が的中したのに損をする現象をトリガミと言います。たとえば、1,000円分の馬券を購入して、払い戻しが900円だったら、それはトリガミとなります。馬券購入者は、略して「ガミル」「ガミった」という単語も使います。
馬連・ワイド
「単勝の配当だけじゃ物足りない」「高配当を狙いたい」
このような方は、リスクマネジメントも併せてできる馬連とワイドを購入することもオススメします。馬連とワイドを買うことにより、本命馬が2〜3着だったとしても、相手に選んだ馬が1〜2着に入れば大きくプラスにすることが可能になるからです。
たとえば、3番人気で⑤番のオッズ6倍の馬を軸として単勝を購入、馬連とワイドの相手に5番人気の⑨番の馬を選んだとします。そして、馬連のオッズが25倍でワイドのオッズが10倍だったとしましょう。
この組み合わせで単勝1,000円、馬連とワイドを500円ずつ買った場合の的中例は以下の通りです。

ワイドだけの的中でも充分にプラスとなります。万が一、単勝・馬連・ワイドのトリプル的中となったら、払い戻し額は23,500円と高配当が見込めます。
この買い方は、ワイドが保険の役割を果たし、馬連が的中となると大幅プラスとなるため、非常にバランスの取れた買い方と言えるでしょう。
トリガミにならないように相手馬は1~2頭に絞ること
単勝の買い方でも説明しましたが、馬券は購入点数が増えるほど的中率が上がりますが、掛け金が分散されるため、払い戻しがその分少なくなります。
馬連・ワイドを同時に買う場合も同様です。相手に買う馬を増やすほど、払い戻しは少なくなり、組み合わせ次第ではトリガミになる可能性も出てきます。
そうならないように、相手は2頭までに抑えることをオススメいたします。
単勝で勝つにはオッズを考慮して買うことが重要
単勝は1着になる馬を当てるシンプルな馬券ですが、買い方を間違えると回収率が下がります。特にオッズ1倍台の馬を買うことはリターンが少なく、長期的な視点でみると負ける可能性が高くなります。
また、単勝は他の馬券と組み合わせやすいのも特徴です。リスクヘッジをして競馬を楽しみたいのであれば、複勝と一緒に買うことをオススメします。
大きな配当を取りたいのであれば、馬連・ワイドを絡めて少ない点数で買うことがオススメです。
単勝は競馬の基本とも言えるもので、控除率も他の馬券より少ないため、理論上は最も勝ちやすい券種といえます。この記事を参考にして、ぜひ自分なりの単勝の買い方を見つけてみてください。
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